当院では、3年ほど前から早稲田大学が開発したVirtual Reality(VR)のソフトウェアの臨床応用を目指し、共同研究を行っています。
VRとは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などの専用デバイスを装着することで、コンピュータで作られた仮想空間の中にいるかのような体験ができる技術です。
近年、リハビリの分野でもVRが治療デバイスとして用いられるようになってきています。
今回は、当院で行なっているVRを用いた脳卒中の後遺症に対する治療についてご紹介させていただきます。
脳卒中を発症すると左空間に注意や認識することが困難になるという症状があります。
具体的には、食事の際に左側の食べ物だけ気づくことが出来ず食べ残してしまう、物体の左側を認識することが困難となるといった症状が起こり自立した日常生活を送ることを阻害します。
左の写真を模写して下さいと指示しています
これらの症状に対する評価・治療システムの開発と治療効果の検証を行っています。現在、評価・治療システムは実際の臨床場面で使用できる段階まで完成しております。
早稲田大学と当院スタッフでこのシステムに関する開発報告、治療の効果検証などいくつかの学会発表・論文執筆を行っており、症状の回復に効果的であることを報告しております。
VRの評価・治療システムに関する学術的成果
・国際学術誌Topics in Stroke Rehabilitationへの掲載
・第13回国際リハビリテーション医学会世界会議
・第56回日本リハビリテーション医学会学術集会
・第53回作業療法学会
・LIFE2018,2019(日本機械学会、ライフサポート学会、日本生活支援工学会) etc..
また定期的に早稲田大学の方に当院に来ていただいてスタッフと一緒に勉強会を開催したりや共同研究で得られた知見などを共有しています。