脳卒中治療ガイドライン2021において、装具適応者に対して短下肢装具や長下肢装具を用いることが勧められています。当法人でも主に回復期病院で医師の指示のもと、適応者に対して装具を処方しています。装具には耐用年数があり、支柱付硬性装具で3年、支柱がないと半分の1.5年、軟性装具は2年とされており、その年数を超過すると破損することがあります。また、耐用年数を迎える前に、身体機能の変化やライフスタイルによって、退院後早期に破損や着用時の疼痛など様々な問題が発生することも考えられます。そのような場合、修正や再作製などのフォローアップが必須となります。しかし、相談先がない、どのように対応していいか分からないなどで装具難民と呼ばれる方々が存在しているのが現状です。
今回、私たち生活支援委員会ブレース部門では、早期から装具の破損や不備を発見し、フォローアップできる体制の強化や発見できるスタッフの教育が必要であると考えました。そこで、装具難民とならないように、早期からフォローアップできるようにする取り組みとして「生活期装具チェックリスト」を作成しました。内容としては、装具の破損でよく目にする項目や現象を図示し、破損があった場合に装具外来や装具作製会社へ繋げられるような仕組みにしました。これにより、破損を発見しやすくなり、装具に不慣れなスタッフも装具をチェックしやすくなると考えています。
本取り組みによって、装具の不具合を早期に発見し、新たな装具難民とならないよう予防すると共に、装具難民を救済できると考えています。
生活支援委員会ブレース部門
花はたリハビリテーション病院
理学療法士 永井公規